どんな物語にも始まりがあるように
どんな病にも原因となる始まりがある
彼の場合は子ども時分の親の関わり方だと思う
育児放棄で衰弱死する子どもの痛ましいニュースがある度、なぜ?って思う
自分の子どもがかわいくないのか
それほどまでに自分が大事なのか
彼は三人兄弟の末っ子
本来なら末っ子は甘やかされがち、いちばん可愛がられそうなものだが、
彼の親は違った
運動会や授業参観、コンクールといった学校行事に興味はなく
彼がどんなに頑張ってもなんの褒め言葉もなかった
子どもに無関心な親というのはどういうものなのだろうか?
わたしなりに推測してみる
彼の父は有名大学出なのだが、おとなしい性格で親の言いなり、母親の望むまま、家から通える自分には向いていない会社に就職した
結果、出世するどころか、後から入ってきたものたちにどんどん追い抜かれていった
いい大学を出ているというプライドもあり、つらい現状を家族にあれこれ言われたくなくて、自分の中にこもるようになる
そんな状態だから、自分の子どもに心をさく余裕もなく、無関心だったのだと
しかし、褒めることがないどころか、自分に関心を示さない父親に彼の不満は爆発する